孫建興の天目茶碗など茶道具を買取り致しました。
買取した品 | |
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茶道具 | |
買取方法 | 出張買取 |
お住まい | 東京都豊島区 |
買取参考価格 | 120,000円 |
※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。
スタッフからのコメント
豊島区のお客様より遺品整理の際にお電話ん頂きましてお伺いさせて頂きました。
今回買取り致しましたお品は孫建興の天目茶碗です。
孫建興は日本の国宝となった曜変(耀変、燿変、窯変とも)天目茶碗の故郷・中国建窯で曜変天目の発掘研究と復元をつづける陶芸家です。
天目茶碗は、今からおよそ八百年前、鎌倉時代に、中国(当時は宋の時代)浙江省の天目山の禅寺に修行した僧侶によって我が国にわたってきたもので、そこから「天目」の名がうまれました。実際には現在の福建省建陽市あたりで作られたものだと分かっています。
天目茶碗は、鉄分を多く含んだ黒い釉薬(黒釉)を使った茶碗で、天目形(てんもくなり)という形状に特徴があります。黒釉の表面は無地であることがほとんどですが、時に、焼成中の窯変によって、大変に美しい文様が現れることがあります。その文様によって、油滴、曜変(耀変、燿変とも)、禾目などと呼ばれる天目茶碗があり、大変珍重されています。
これらの天目茶碗の制作は困難を極め、土と黒釉の成分、焼成温度と時間など、それぞれがある一定の奇跡的な条件を満たしたときのみ、偶然にも、見事な窯変が得られるのです。
孫建興が復元した「油滴天目茶碗」もそのひとつで、水面に油の滴(しずく)を落としたような文様(上の円中写真)があることから、そう呼ばれています。そして、現在の日本の国宝に指定されている5点の天目茶碗のうち、4点までが中国・建窯の作といわれています。
年譜
1952年 中国福建省泉州市に生まれる
1972年 福建省泉州市徳化県紅旗瓷厰にて釉薬を研究する(~1975)
1978年 西北軽工業学院(現陝西科技大学)陶瓷専攻科卒業
福建省軽工業研究所にて建窯建盞復刻研究につく(~1980)
福建省科技進歩大会3等賞受賞
1981年 福建省建陽軽工業局にて陶瓷工芸を担当(~1985)
1982年 古代陶瓷科学技術国際シンポジウム会員参加
1985年 福建省廈門大学で学ぶ(~1986)
1986年 福建省南平陶瓷研究所の工程師を務める(~1990)
1990年 中国古陶瓷研究会に参加(以後毎年)
福建省南平星辰天目陶瓷研究所の総工程師となる
1992年 古代陶瓷科学技術国際シンポジウム会員参加
景徳鎮陶瓷学院学報に『供御鷓鴣(しゃこ)斑天目の新発見』を発表
1993年 中国古陶瓷研究会会員
鷓鴣斑天目が福建省科技成果鑑定において国内最高水準とされる
兎毫盞(禾目天目)がドイツ国際陶瓷フェスティバルで三等賞受賞
1994年 宋時代の天目茶碗復刻研究で南平市人民政府科技進歩一等賞受賞
1995年 宋時代の建盞系列研究で福建省人民政府科技進歩二等賞受賞
古陶瓷科学技術国際シンポジウムで『虹彩天目建盞の釉研究』『大型官窯建盞』『発掘片から見る油滴天目建盞の特質』『銀藍色禾目と白色木葉の構造』などの論文を発表。虹彩天目茶碗を展示
1996年 福建省南平市科学技術協会副主席
中国古陶瓷研究会’96建陽年会および学術討論会に参加、作品展示
中国古陶瓷研究会特集『福建文博』に『建盞古今話』発表
1997年 福建省廈門大学研究科に学ぶ(~2000年)
1999年 古陶瓷科学技術国際シンポジウムで『類曜変天目茶碗の研究』発表
2000年 来日、大阪市立東洋陶磁美術館と京都龍光院で国宝の茶碗を見る
福建省南平市人民対外友好協会理事就任
中国古陶瓷専門委員会常務委員就任
2001年 ヨーロッパ視察旅行
2002年 油滴天目、禾目天目を中国歴史博物館(現中国国家博物館)に収蔵
「禾目天目茶碗」「油滴天目茶碗」台湾鴻禧美術館に収蔵
来日、東京静嘉堂文庫、大阪藤田美術館ほか見学、瀬戸素山窯長江秀利師と交流
2003年 星辰陶瓷研究所をNHKが取材『七彩之光』放送
朝日新聞が取材、韓国KBSが『陶瓷之路』制作放送
2005年 「世界陶瓷双年展」(韓国)で講演
中国古陶瓷科学技術国際シンポジウムで『宋元南平の灰被天目茶碗研究』発表
2006年 中国陶磁工芸美術大師に認定される
2007年 NHK『関口知宏の中国鉄道大紀行』で放送
2008年 中国“海のシルクロード(海絲)杯”美術陶瓷作品展にて「曜変天目茶碗」が金賞受賞
2010年 2010上海万博に出品